MBSI Lake Michigan Chapter Meeting

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2009/05/19 EXIM Interface, LLC

 2009年5月16日(土)、オルゴール愛好家の国際的な組織であるMBSI (Music Box Society International) のミシガン湖支部(Lake Michigan Chapter)集会がありました。

 場所は米国イリノイ州シカゴ郊外バリントンヒルズにあるサンフィリッポ邸(Sanfilippo Estate)。我が家から車で30分です。午後2時に始まり終了は午後8時半でした。

 サンフィリッポ邸は広大な敷地に建てられた大邸宅でこの日集まった200名近くのメンバーを楽々と収容しなお余りあるものでした。

 この日の集会には近辺のメンバーのみならず全米各地およびカナダ、スイスからのゲストも参集し大盛会でした。

 邸内にはアンティークオルゴールの他に多数の自動演奏楽器が展示されていました。サンフィリッポ夫妻は自動演奏楽器の収集家として大変著名であり、個人収集家としてそのコレクションの内容は質および量において世界第一とも言われています。

集会アルバム

1. 会場へ向かう

DSC_6149.JPG門をくぐってしばらく行くと 変哲もない森の中の蛇行した細い道を走って行くと左側に「ああ、ここが門だな」と思われる入口があります。で、その門を入ってしばらく進むとこの写真にあるような立派な道路と公園のような景色が目に入ります。道路の左側には今日の集会参加者の車が並んでいます。ここは既にサンフィリッポ邸の敷地内です。
 写真をクリックすると拡大されて気づかれると思いますが、なんと鉄道のレールが敷かれています。これについては後に述べます。

2. 歩きたくない人は・・

DSC_6153.JPG敷地内を巡回するカート このようにカートに乗せてもらいます。車を止めた場所から会場であるサンフィリッポ邸まで結構あります。脚の弱い方、悪い方、歩くのが嫌いな方、不精な方、乗り物が大好きな方様々な方がこのカートに乗ります。冬場は寒いのでこのような集会があるときには私設バスが敷地内を走ります(昨年12月に体験しました)。

3. やっと会場です

DSC_6165.JPGサフィリッポ邸(会場) 大きな建物が見えてきました。これがサンフィリッポ邸です。いわゆるマンション(Mansion)と呼ばれるようなものなのでしょう。かつて日本でこのマンションはお買い得ですよとかなんとか言われて買ったあの3LDK・・。私のマンションとは全然違う・・

4. マンションの入り口を入ると

DSC_6169.JPG入口ロビー正面 正面には大きな階段があり、その階段はさらに左右に別れています。正直、かなり圧倒されます。映画ではこのような場面を目にした覚えがありますが、実際に目にすると「ウハー!」となります。階段正面にはJMHOF&MUKLEと記された大型自動演奏楽器がでんと据えられています。

5. ロビー右側

DSC_6172.JPGロビー右側 入口を入って右側には4台の蓄音器があります。ラッパ管は木製でその表面の艶具合から手入れの良さが窺えます。

 黒いスカートのご婦人がミセス・フィリッポで来客の応対をしています。背中を見せている男性に抱かれた赤ちゃんの顔はオートマタの人形にそっくりですが本物です・・。

6. ロビー左側

DSC_6175.JPGロビー左側にあるレジーナ  ロビーの左側には二つの蓄音器に挟まれたレジーナのディスクオルゴールがあります。あっさりとした装飾ですがオルゴール本体下部には彫刻が施されています。

7. 自動演奏楽器

DSC_6177.JPGバイオリンとピアノの自動演奏楽器 ロビーから左前方に進むと別室に入る入口があります。その入口近くにこのバイオリンとピアノが合体した自動演奏楽器が置かれています。バイオリンは3本あります。この自動演奏楽器を見ることなく演奏そのものを聴くとまるで3人のバイオリニストと一人のピアニストが実際に演奏しているよう聞こえます。はじめての来訪者はロビーに入ってこの演奏を耳にし、別室に入る直前にこの自動演奏楽器を目にした時、感嘆の声を発します。プロの演奏家が演奏していると思ったからでしょう。

8. 第一別室

DSC_6178.JPGロビーから第一別室へ ロビーから別室に入って撮った写真です。ステンドグラスのスタンドや天井から吊るされた照明の数々、坐り心地の良さそうなソファー、壁際には多数の自動演奏楽器が並んでいます。

9. 縦型自動演奏ピアノ

DSC_6184.JPG縦型自動演奏ピアノ 壁際に並んだ縦型自動演奏ピアノです。ステンドグラスの装飾が鮮やかでその内側および外側には電燈が仕組まれています。中央のピアノにはメーカー名「Peerless」が刻まれています。

10. 横型自動演奏ピアノ

DSC_6185.JPG横型自動演奏ピアノ 第一別室を奥に向かって進んだところにこの自動演奏グランドピアノがあります。メイソン&ハムリン社製です(Maison & Hamlin)。

 なぜか赤縦縞シャツのお爺さんが傍に写っています。モデルとして傍に立って下さい、と頼んだわけではありません。

 因みに胸から印刷された名札をぶら下げている人はMBSIミシガン湖支部のメンバーです。このお爺さんはぶら下げていました。従い私と同じくれっきとしたメンバーです。この日ゲストとして来られた方は手書きの即席名札を胸に貼り付けています。

11. 子供部屋

DSC_6189.JPG子供部屋のレジーナ サンフィリッポ邸には実にたくさんの部屋があります。ここは子供部屋で写真には写っていませんがたくさんの人形が飾ってありました。

 そして部屋の隅にはレジーナの縦型ディスクオルゴールが。彫りの深い彫刻が施されています。

12. ダイニングルーム

DSC_6301.JPGダイニングルームのポリフォンとシンフォニオン ダイニングルームには縦型ディスクオルゴールが2台置いてありました。右側がポリフォン、左がシンフォニオンです。いずれもディスクオルゴール全盛時のものでその風格はさすがです。サンフィリッポ夫妻に招かれたお客はここで晩餐を楽しみながら100年前のオルゴールの音色も楽しむのであろうと想像しました。

13. ポリフォン近影

DSC_6193.JPGポリフォン近影
 ダイニングルームに置かれたポリフォンです。100年の年月を経て筐体の木材や塗装は欧州および北米の気候に馴染んでいるためか、その音色たるや正に豊潤そのものでした。100年も経つうちにはコームの低音振動弁の下にロウヅケされた鉛も酸化され白錆も少なからず発生し結果としてその質量も減少しているはずですが、その辺りの補修・メンテナンスは完璧だと思いました。そうでなければあのような狂いのない音色は出ないと思います。

14. シンフォニオン近影

DSC_6194.JPGシンフォニオン ダイニングルームに置かれたシンフォニオンです。付記すべき内容は上のポリフォンと同様です。

15. レジーナフォン

DSC_6305.JPGレジーナフォン ダイニングルームにあるポリフォンおよびシンフォニオンの反対側にはレジーナフォンが置かれています。このレジーナフォンはラッパ管を外した状態です。

16. レジーナフォン近影

DSC_6300.JPGレジーナフォン近影 ボックスおよび下のキャビネットはいわゆるサーペンタイン型で曲面を成しています。蓄音器の出現に対抗してオルゴールに蓄音器の機能を備えたものを製作したレジーナの執念を感じます。

17. さてコレなんですが・・

DSC_6314.JPGさてコレは? 別の部屋で見かけ取りあえず撮影はしたものの、メーカーが今となっては分りません。扉にはタイルに焼き付けたような画像がありました。彫刻といい画像といい威風堂々たる縦型ディスクオルゴールです。もしどなたかこのオルゴールのメーカー、モデル名等おわかりの方がいらしたら、どうぞ、ご一報いただきたいと存じます。

18. 縦型レジーナ

DSC_6319.JPG縦型レジーナ 居間というか第二居間とでもいうかやや小さな居間風の小部屋の隅にありました。ディスク径は20インチはすくなくともありました。こういう具合に各部屋には必ずと言っていいほどオルゴールやその他の自動演奏楽器が置いてあります。

19. そしてコレも・・?

DSC_6197.JPG扉がステンドグラスのディスクオルゴール コレもメーカーを確認しなかったのですが、扉の装飾がステンドグラスでしかもその面は曲面となっています。なにやら珍しいなと思い撮影しました。コレクションのあまりの膨大さに観方が次第にずさんになってきました。もし、この手のオルゴールに関しメーカーやモデル名に詳しい方がいらっしゃれば、ぜひ、お教えいただきたいと存じます。

20. ラッパ管付きレジーナフォン

DSC_6281.JPGラッパ管付きレジーナフォン 地下一階にはラッパ管の付いたレジーナフォンがありました。

20. ちょっと珍しいレジーナ(1)

DSC_6211.JPGちょっと珍しいレジーナ 同じく地下の部屋で見かけたレジーナなのですが、よく見ると「Slow-Fast」の速度調整レバーがあるのです。次の写真でご覧ください。

21. ちょっと珍しいレジーナ(2)

DSC_6212.JPG速度調整レバー付きレジーナ 速度調整のためのレバーが付いています。過去5年間、日米各地のオルゴール博物館を見学してきましたが、これまで速度調整レバーのあるオルゴールにはお目に掛りませんでした。それで少なくとも私には珍しいレジーナということでここに掲載しました。

22. 米国製レジーナ第一号機(1)

DSC_6214.JPGレジーナ初号機? 地下の展示ルームにレジーナが2台並んでいました。ああ、またレジーナかと、観方がかなりぞんざいになっていたのですが、上蓋の内側に印刷された文字を読んで、え?! ホント?!と思い撮った写真です。右側のレジーナにご注目下さい。

23. 米国製レジーナ第一号機(2)

DSC_6215.JPG上蓋の説明書き 上蓋には”First Music Box Manufactured in the United States”と印刷されています。この英文をどう解釈するかですが、主語が省かれてはいますが、「(このオルゴールは)米国で最初に作られたオルゴールです。」と解するのが自然ではないかと思います。で、「ほう!そうか!」と思うのも自然ではないかと思います。で、最初に作られたという年代はいつなのか、と思って印刷文字を仔細に眺めたのですがそれは記されていませんでした。ところが、印刷文字の一行目には"REGINA"とあり、ああ、これが主語かなと思い始め、そう思って観れば、アメリカで最初にオルゴールを製作したのはレジーナである、という意味なのかと・・。となると、今眼前に控えているオルゴールが初号機という訳でもないかと思うに至り、最初の興奮はなにやら冷めてしまった次第です、、。

 因みにそこに乗せられていたディスクはポーター社製ディスクでした。

24. ステラ・オルケストラ・グランド・ミュージックボックス

DSC_6270.JPGステラ・オルケストラ・グランド・ミュージックボックス 威風堂々という表現がぴったりのステラです。説明書きによればこのステラのシリアルNo.は3701。1897年製とのことです。ステラはスイスのメルモード・フレール社(Mermod Freres)のモデルです。当時(112年前)の価格は$1,200だったそうです。

 ボックスは彫刻が施されたマホガニー材で作られています。ディスクは26インチサイズでダブルコーム式、101弁x2です。

 1897年頃の製作と見なされていますが、所有者の履歴が明らかになっているのは1950年代からのようです。

 残されている記録によれば最初の持ち主はHarry K. Thawの母親です。彼女から彼女の身の回りを世話した女性に引き継がれ、更にニュージャージ州バスキンリッジ市のInsley Looker ⇒ 同州モリスタウン市のWade Jenkins (1954年)⇒ ニューヨーク州ペルハム市のRuth Bornand ⇒ カリフォルニア州パシフィックパリセイド市のCarl Thomas(1958年) ⇒ Thomasの甥 ⇒ その甥の主治医であるカリフォルニア州サンベルバルディノ市のOwen O'Connor医師(1970年) ⇒ イリノイ州リンカンウッド市のMarty Persky(1993年)へと受け継がれてきました。

 現在の所有者はMarty Perskyです。彼はMBSI ミシガン湖支部長で今回の集会アレンジ責任者でした。

 さて、このステラにまつわる説明書きには更に次のようなことまで書いてありました。
DSC_6269.JPGステラの説明書き

 当時社交界の名士として知られたHarry K. Thawの母親はこのオルゴールをニューヨークのJacot & Son社に発注したそうです。因みにその息子であるHarry K. Thawは彼の新たな妻(再婚か?)であるEvelyn Nesbit Thawに言い寄ってきた男、建築家のStanford Whiteを射殺し、世に有名な(といっても私は全く知らなかった)Thaw-White殺人事件裁判が1907年にありました。この事件が1954年に上映された映画「赤いビロードのブランコに乗る女性(The Girl on the Red Velvet Swing)」のモデルストーリーとなったそうです。

24. まだ続きます・・

DSC_6241.JPGサンフィリッポ邸内部 さて、オルゴール関係の話は概ね以上で終わりですが、サンフィリッポ邸の内部をもう少しご紹介しておきます。写真は1階から3階までを写したものです。各階には自動演奏楽器が並んでいます。写真は回廊しか写っていませんが、各階には広々とした大広間がありそこにも数多くの自動演奏楽器が陳列されています。

25. エレベーター

DSC_6225.JPG邸内エレベーター この縦長の建造物は1階から3階につながる邸内エレベーターです。もう、なんというか、あきれる思いでした・・。
DSC_6240.JPGエレベーター脇のレジーナ で、エレベーターの入り口脇にはレジーナがデン!と控えてました。もうこの頃になると何を見ても「ふぇ~」という感じでした。最初のころは「うはー!!」でしたが。これ一つ背負ってうまくサンフィリッポ邸を抜け出しアンティークショップに持ち込んだら、、いったい幾らになるのだろう、と、普段決して考えないことを考えてしまいました・・。
 で、ま、ついでにと思って見上げたら・・・
DSC_6244.JPG天井のステンドグラス こうなんです・・。どこにも手抜きというものが無いのです。

26. 集会

DSC_6340.JPG集会場 3時間近く邸内のコレクションを見て回った後、4時50分に集会場に集まるようにとのアナウンス。行ってみますと、これ(写真)が集会場でした。2階ぶち抜きのシアター。ステージ中央にはきらびやかなオルガンが。ああ、そういえば案内状にはオルガン奏者を招いてあり特別コンサートがあるというようなことが、書かれていたことを思い出しました。この邸内劇場には300名近く収容できるそうです。
DSC_6383.JPGMBSIミシガン湖支部長Martyの挨拶 5時きっかりに集会が始まりました。最初に例のいわくつきステラの所有者であり、MBSIミシガン湖支部長であるMartyの挨拶がありました。このMartyは何者かといいますと業界では名の知れたアンティークオルゴールのディーラーです。それとは知らず、ミシガン湖支部会に入会したいとある日突然電話を掛けて話をした相手です。顔に似合わず(顔はジャンギャバン風・・)とても温厚な人です。
DSC_6389.JPGオルガン演奏 滞りなく集会議事は進行・終了。次に本日のエンターテインメントであるオルガン演奏。演奏家の名前は聞いたのですがその直後には記憶に残らず今もってだれだったのか不明です。パイプオルガン(電動)の轟くような音量に身も心も震えました。聞けば、シアターオルガンとしては世界最大のものだそうです。このオルガンを弾くことはオルガニストにとり大変栄誉のあることだそうです。私は趣味のギタリストなんですがオルガニストではないため、へー、そうなのか、という程度の感想でした。

DSC_6375.JPG集会者ちょっと順番が狂いましたが、今回の集会者の表情をお見せしたいと思います。この写真はミシガン湖支部長の挨拶の始まる直前に撮ったものです。

27. 最後に

DSC_6412.JPG次なる会場へ向かう途中の景色 これで当日の集会プログラムがすべて終わったわけではないのです。

 この後サンフィリッポ邸を出まして、同邸敷地内にある別の建物に移動しました。移動途中の景色は写真の通りです。私のように脚力のある人は徒歩で、ない人や不精な人達はカートで写真中央に見える建物に向かいました。
DSC_6420.JPGエデンパレス
DSC_6437.JPG会食中 たどり着いたところがどんな所かと申しますとその名をエデンパレスといいなんと言いますか、建物内にある遊園地のようなところでした。ここで会食をしました。BGMとして実に賑やかな音楽が自動演奏楽器により演奏されていました。オランダ特製のストリートオルガンです。人生の悲哀とかなんとかそういうものを吹っ飛ばすようなメロディでありテンポであり、その音量たるや壮絶極まりないのですが、不思議なことに不快感は感じませんでした。

DSC_6443.JPGトレイン
DSC_6439.JPG蒸気機関 で、この建物内には何があるかといいますと大型ストリートオルガンの他に御覧のような昔の客車があります。この客車をけん引する蒸気機関車もあります(写真撮影失敗)。この蒸気機関車や客車を走らせるために敷地内にレールを敷いています(「1.会場に向かう」の写真参照)。この他に実物の蒸気機関、発電機、GE製配電盤など多数あります。



それだけなら、まあ、自動演奏楽器の収集と鉄道趣味かと済ますことも無理すればできるのですが・・
DSC_6441.JPGメリーゴーランド!
DSC_6501.JPGメリーゴーランドに興ずる我がメンバー
 これです・・。こんなものまで食堂の隣にあるのです、、。ミスター・サンフィリッポはこのメリーゴーランドの操作をこよなく愛してるようで嬉しそうにメンバーを乗せスイッチを押していました。

28. 最後の最後

DSC_6426.JPGサンフィリッポ邸 オランダ製大型ストリートオルガンやら超大型振り子時計やら蒸気機関車、客車、発電機その他を見たあと外に出ました。その時の光景がこの写真です。ありとあらゆる自動演奏楽器が所狭しと並べられている館です。サンフィリッポ夫妻はこの館内の左の方で起居しているそうです。

 この日撮った写真の枚数は約300枚。 ここではそのほんの10%しか載せていません。まだ他にお見せしたい写真はたくさんあるのですが、きりがないのでこの辺で本編終了とします。